前略
ここ最近は、急遽飛び出してきた近鉄・オリックス合併問題で、世も眠れぬ日々を送っていると信じております。
「信じている」という表現を使ったのは、いままでのコミッショナーたちが、あまりにも無策で、球界に悪だけをもたらして、いつの間にか姿を消していたからです。あなたは、珍しく、彼らとは違い、さまざまな問題に、どちらかといえば積極的にコメントをしていますから、今回の問題についても、何らかの意見をお持ちだと思うのです。
しかし、ノンビリと方向性を検討する時間は、今回の事件には与えられていません。悪名高い、ナベツネ氏が話をまとめる前に、コミッショナーに与えられた権限をフル活用して、球界を導く義務が、あなたには与えられているのです。
そこで、僭越ながら、何件か、明日から、もしくは来年から出来る改革案を、いくつか提示して差し上げましょう。
@試合時間の短縮
現在のプロ野球の試合時間は長すぎます。サッカー、バスケットボールのように時間が決まっているスポーツや、バレーボール、卓球のように先取点が決まっているスポーツには、試合時間の制限は要りません。しかし、野球は、9回終了時点で試合終了、という、なんともはっきりしない試合終了のルールしか取り決められていません。
長い試合であっても、それが密度の濃いものならかまわないのですが、野球の場合は投手がボールをキープしたり、打者が打席を外したりすることによって、間延びした試合が生まれやすい状況にあります。
メジャーリーグでは、コミッショナーが、「イニング間の攻守交替時間を2分5秒以内」「走者がいない時の投球間隔を12秒以内(以前は20秒以内)」との通達を出しました。これで、試合の平均時間が2時間46分に縮まったといいます。
これは、明日から出来る改革です。今日、通達を出せばいいわけですから。
Aドラフトの完全ウェーバー化
長年言われ続けていることですが、ドラフトでは、大物選手獲得時の高校・大学野球部の監督に対する、不透明な裏金が存在しています。規定どおりの契約金(1億円)なら、獲得選手全員にそれを支払っても10億円以下。しかし、その数倍にも及ぶ大金がないと、好素材が獲得できないことで、裏金を捻出→財源不足→裏金不足→獲得選手の小粒化→球団低迷による財源不足といった悪循環が始まるのです。
これを打開するためには、ドラフトの完全ウェーバー化を実施するしかありません。
本来、球団間の戦力獲得チャンスを均衡化するためにはじまったドラフト制度。今こそ、その原点に帰るときです。
Bサラリーキャップの導入
俺流・落合選手が、1987年に年俸1億円に達して以来、年俸の高騰は猛烈なスピードで進んでいます。それは、球団経営を圧迫するほど。
そこで、サラリーキャップ制を導入してはどうでしょう。サラリーキャップとは、1球団が選手に支払う年俸に上限を設けること。もっとも、この制度は、急遽選手を補強する必要が出てきた場合も、その時点でキャップ一杯に選手を保有している場合に不都合。ならば、アメリカの四大スポーツでも導入が進んでいる、課徴金制度という選択肢もあります。
課徴金制度とは、年俸総額がある一定の額を超えるチームが、枠をオーバーした分の何割かを、コミッショナーを通じて年俸総額の少ない球団に渡すもの。
懸命の努力で観客動員が増えても、いくら収入を得ても赤字のプロ野球を救うには、支出の大部分を占める選手の年俸を削るほかありません。そもそも、年俸アップは青天井、減棒額には制限付きという今の制度に問題があるのですから。
C全国ネットのテレビ放映権のコミッショナー管理
ジャイアンツ戦が、140試合全国ネットで放送される一方、他の11球団の試合は、まだまだ地上波での中継はないに等しいのが現状です。
テレビ中継では、その球団の知名度向上効果と同様に、主催球団に放送権料という収入が入ります。その額は、巨人戦なら1試合1億円以上。ジャイアンツは年間70試合を主催していますから、単純計算で70億円以上の収入があることになります。この時点で、他球団との体力差が早くも出ているのです。
これを解消しなければ、巨人一極集中のプロ野球界は変わりません。巨人で食うセ・リーグ球団と、食えないパ・リーグ球団。潤うのは巨人だけです。
以上、いくつか改革案を提示してみました。
しかし、これらは、いずれも10年来言われていること。
この改革を実行し、更に踏み込んだ改革を、今年中に進めなければ、球界は1リーグへの道を進み、根来コミッショナー殿が実現を希望するインターリーグも実現できなくなります。
コミッショナー殿の英断と行動力に期待します。
by tanbou
日本野球探訪館
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