Baseball Column

これがパ・リーグです! [by pacificnavi]

これがパ・リーグです! [by pacificnavi]

◆球界再編で揺らぐプロ野球界の原点を見た!◆
パ・リーグ連勝!1リーグ制へ無言の抵抗

球界は縮小、1リーグ制という方向に走っている。選手会の要望、ファンの声も無視され球団オーナー間だけで話がまとまってしまっている状況にも選手らはプレーで抵抗するしかない。密室でプロ野球の未来が決められていくことに選手、ファン、関係者は首を傾げるしかない状態。ある映画のフレーズではないが、「密室(会議室)で野球はできない。球場(現場)でしか野球という魅力は伝わらない」のだ。グランドでしかプロ野球の未来は語れない・・。そんな魅力あるプロ野球を十二分に満喫できたオールスターゲームだったかと思う。しかも合併問題の渦中にあるパ・リーグが2連勝。選手らは12色のミサンガを身に付け結束した。「最後になるかもしれない」セ・パ両リーグのオールスターゲームはホームランあり、奪三振ショーあり、ホームスチールありの華々しいスーパープレーの連続であった。

第1戦はパ・リーグのパワフル野球が炸裂!先制は名古屋ドームとあってまずは中日勢が猛アピール。先発の山本昌が連続三振で場内を沸かせれば、ミスター2塁打の立浪がシーズン12連勝中の近鉄・岩隈からレフト線へ2塁打。すかさず福留がタイムリーで1点先制する。詰め掛けた中日ファンにとってはたまらないシーンだったろう。しかしここからは“パ・リーグタイム”に一変。パの指揮を執る王監督の秘蔵っ子たちがその存在感を如何なくアピール!口火を切ったのはホークスが誇る不動の4番松中の一撃だった。セ・リーグのファンならあまり見慣れない広い名古屋ドームで流し打ってのスタンドイン。レフトスタンド中段まで運ぶ同点弾となった。そして5回には長嶋ジャパンの4番城島が左中間最深部中段まで運ぶ勝ち越しHR!飛距離にして140M級とこちらもパワーを魅せつけた。これでもまだ足りないのか今度はDHズレータがセ・リーグのエース上原から名古屋ドーム3階席まで届く150M超ド級のアーチ・・。シーズンでもあまり見られないホークス最強打線の3発で試合を優位に運ぶ。打つだけではない。投手リレーも見事だった。2番手には長嶋ジャパンのエース松坂がマウンドに。これまで球宴での勝ち星がなく、逆に打ち込まれるシーンがあり相性が良くないとされていたが今日は違った。城島のリードもアテネシミュレーションも兼ねて真剣そのもの。直球は156km/hを計測し、チェンジアップの落差はセの強打者らの腰が砕けるシーンもあったほど。2回を無安打4Kに斬って取りオールスターの歴史でも稀な投手でのMVPを受賞するほどのインパクトあるピッチングであった。最終回には近鉄・中村もバックスクリーンへ豪快に運びパは4発を浴びせ6-3と快勝した。

第2戦は一転して投手戦の展開となった。先発はホークス和田と阪神福原。この2人は昨年の日本シリーズ第7戦で顔を合わせている。和田は直球、変化球ともに抜群の切れでセの強打者を手球に取っていく。圧巻だったのは先輩・小久保に対し狙って直球で空振り三振に斬って取るパフォーマンスも魅せてくれた。そしてこの日の主役はなんといっても日本ハムのSHINJO。札幌で「MVPは俺のもの」と宣言した割には第1戦で目立ったのは始球式のボールをファールチップしたぐらい。雪辱を晴らすべく1打席目はレフトスタンドに指を差し予告ホームランで会場を沸かせた。その直後になんとセーフティーバンド・・・ゆうゆうアウトで場内の爆笑を誘う・・。それでも球宴ならではの演出で大いに盛り上げてくれた。そして第2打席目はきっちり左中間へ2塁打を放ち3進して打席には同僚小笠原。他球団の打者なら遠慮してたかもしれないが、ここでSHINJOは単独のホームスチールを決めた。小笠原にすれば打点、受賞のチャンスをSHINJO一人に持っていかれてしまった格好だ。場合によってはスタンドプレーとも言われかねないギリギリのプレー。しかしSHINJOは何より“パ・リーグ”を盛り上げたい”という純粋な気持ちでプレーしていたように思う。シーズン中もお立ち台を若手に譲る謙虚さも実証済み。自分が目立つことで相手を引き立てる術を知っている。その証拠にお立ち台では「自分だけじゃない・・これがパ・リーグです!」と高らかに主張。さらには「公約通りまさかMVPが獲れるとは・・思ってました!」と最高のオチもつけて場内大爆笑!暗い話題の多かったプロ野球に明るさをもたらす振る舞いでもあった。SHINJOのパフォーマンスで薄くなりがちだが、2安打で2点目のタイムリーを放ったオリックス谷の活躍も見逃せない。1戦目は近鉄の中村、岩隈らが存在感を示したが2戦目は谷と合併問題に揺らぐ両チームの選手らがハツラツとしたプレーでファンに応えてみせた。1リーグ制移行に対しリーグ存続を全力プレーで魅せ返したパ・リーグであった。

今回のオールスターで改めて「プロ野球はセとパ、2リーグで成り立っている」ことを実感させられたように思う。まさに“夢の球宴”であった。ファンからこの“夢”を奪ってしまうようなことがあってはならないと思う。1リーグでも東西に分けて実施するような愚作がオーナー側から提案されているが違うリーグで磨いた技をぶつけあってこそ今回のようなゲームが成り立つのではないだろうか?例えば西武・松坂の156km/hを見て、ヤクルト・五十嵐が躍起になる。そこには互いに“負けられない”という意地とプライドのぶつかり合いがあるからこそ演出できるもの。果たしてこの“ガチンコ勝負”が1リーグで演出できるかどうかは正直疑問が残る。人気のセ、実力のパでもいいじゃないか。そこからハイレベルな切磋琢磨が生まれ、プレイする者、観る者すべてが野球の面白さに取りつかれるのだから・・。

by pacificnavi

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Last Update : 2004/07/14 15:10