Baseball Column

戦力バランスを考えた戦力補強(後編) [by pacificnavi]

戦力バランスを考えた戦力補強(後編) [by pacificnavi]

2003.11.11記

巨人の補強策は素人目に見ても理にかなっているとは言い難い。補強の目的が、“人気回復”、“話題性”に偏っているような気がする。各チームのスタープレイヤーや4番打者を金力で集め、打順は組めるがポジション配置が出来ないという難題にぶつかっている。指揮官もありがた迷惑なのが本音ではなかろうか?いわゆる大砲ばかり集めてもベンチは動きようがなくなる。機動力が使いづらいタイプの打者を並べても“繋がり”が保てない。

今季一番の補強点はやはり防御率リーグ5位に甘んじた“投手王国”の再建のはず。しかし、小久保を初め西武松井、近鉄ローズと強打者ばかりが補強のターゲットになっている。小久保にしてもローズにしても膝などに爆弾を抱えている強打者ならぬ“凶打者”である。昨季のペタジーニ獲得における反省が生かされていない・・。ここはシーズン通して働ける主砲を一人、あとは個々の能力を伸ばし“連携”を強化した方が戦力バランスは高いところで保たれるのではなかろうか。結局、何を言いたいのかというと、“戦力補強策”は現場意見優先でなくては意味がないということ。ネーム欲しさに選手を掻き集めるのは“素人人事”と呼ばれても仕方がない。現場が目指す野球とは掛け離れた戦力で来季を迎えることになると“勝ちパターン”いわゆる戦術面を形作ることが出来ない。現場が「こういう補強をして欲しい」という要望に対しフロントが実現に向け各球団に働き掛ける・・という図式が整備されていた方が効果的な戦力補強が出来るはず。その点今季の阪神は星野監督自ら補強に手腕を振るった。それが功を奏した形でバランス良く“繋ぎの野球”を実現出来たのだ。

これだけお金を掛けて選手を集めたんだから後は頼んだぞ・・ということで“優勝”を義務付けられる。でもそこにフロントと現場に一体感が感じられない・・ではペナントは遠のくだけ。まずもって、どういったチームを作りたいのか?どういう野球を目指すのか?それは何年越しの構想か?など現場、フロントの意思統一が図られない限り常勝軍団は作れないのだ。近年、連覇するチームが減ってきたのは1年凌ぎの短期的なチーム構成、戦力補強に偏ってしまっていることも起因しているのではないだろうか?堀内新体制は「守り抜く野球」をモットーにスタートしたはず。しかしフロント側は攻撃面重視で逆の展開を見せている。ダイエーフロントも来季のチーム構成なんてまったく考えていない行き過ぎた人事が横行している。選手に「この球団は勝ちたくないんでしょうね・・」と言わせては終わりである。現場を無視したフロント人事・・・これでは強くなるはずがない。揃えたメンバーで、もしくは残ったメンバーで何とか優勝してくれ、という態度では選手間の不安や不信感は拭えない。巨人は特に若手成長株のモチベーション低下が心配だ。ポジション争いがないままポジションが埋まっていってしまう・・。これでは能力を殺してしまうことにもなりかねない。

前編で述べたが、駒ありきのチーム構成では強いチームにはなれない。「強いものが勝つ」のではなく、「勝ったものが強い」のがプロ野球の世界。年俸、実績からすれば独走してもおかしくなかった巨人も単にバランスを失ったチームに過ぎなかった。選手を揃えることが先に立ってはならない。戦略・戦術を先に描き、それに対応出来る要素を兼ね備えた選手を集める、もしくは育てることが常勝チームへの近道なのだ。

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by pacificnavi

Last Update : 2004/03/03 17:01