プロ野球選手会の動き


選手不在、ファン不在の近鉄・オリックスの合併。さらには「もう1つの合併」をちらつかせ一気に「1リーグ」移行へ加速。まったく開かれた議論のないまま球界再編を推し進めていく経営者側に“待った”をかけたプロ野球選手会。6月13日に合併が発表され7月7日のオーナー会議では堤オーナーの口から「10球団1リーグ」構想まで飛び出した。たった1ヶ月も満たない間にである。

歴史の深いプロ野球界がたった1ヶ月やそこらで大きく変わろうとしていた。しかも経営者側の都合による“縮小”という方向で。選手会側は一方的にしかも無茶なスピードで進められる球界再編に異議を申し立てた。「1リーグに反対」したのではない。選手会側の要求は「1年間合併凍結」。そして有識者も交えて徹底して議論を重ねましょう、ということだった。さらにその1年間だけでも「命名権の売買」の容認も提案している。しかし機構側と経営者側はどちらも受け入れることはなかった。

また選手会は選手契約に関わる事項を議論しあう「特別委員会」の設置やオープンな議論場として「合併問題検討委員会」設置も要求。いずれも経営者側が難色を示したことで実現には至らなかった。

このように選手会側は一方的な球界再編の動きに対して、一方的に「反対」ということではなく「議論する」場を要求していったのだ。球界再編問題は球界関係者だけでなく経済、社会問題まで発展。ならば皆にみえる形で互いに建設的な意見を戦わせましょう、というのが選手会のスタンスであった。しかし経営者・機構側は話し合いの場さえ設けなかった。しまいには某オーナーの「分をわきまえなきゃいかんよ、たかが選手が」の発言で選手会、ファンの不満は爆発することになった。

残念なのは「プロ野球球団」がある意味経営者により私物化されてしまってるということ。野球協約には「球団は公共財」と書かれてあるが、あたかも「赤字なんだからしょうがないだろ」という一企業の経営上の問題で合併強行。こういった公共心の欠如とファン無視の態度が世論の反発を買うことになった。「赤字なら身売りすればいい」という世論の反応もライブドアの買収表明時に「身売りは1%もない」と門前払い。少なくとも交渉の場を設けたうえで結論を出せばいいのに「余計なことを」と邪魔者扱いまでしてしまった。これには選手会もファンも納得がいかない。

古田選手会長は、試合に出場しながらもTV出演(朝まで生テレビ等)などメディアで選手会の意志を主張。各地で署名活動もさかんに行われた。また1リーグ反対の議員同盟や大阪弁護士会同盟まで発足。世論を味方につけ「球界発展」への労使交渉のテーブルにつくことになったのだ。


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