日本プロ野球界の構造的問題点
| ■閉鎖的な構造システム |
| 野球協約上、球団譲渡を受けるには法外な加盟料30億円を収めなければならない。また新規参入となると60億円に跳ね上がる。これはプロ野球の伝統を守るための措置とされているが、具体的に言えば品性のない企業の参入阻止、また安易な転売を阻止するための敷金ということだ。単に高いハードルを設けることでプロ野球という市場を新参者に支配されたくないという閉鎖的なシステムに過ぎない。これでは脱退球団が出た場合の補充が難しく縮小に向かわざるをえなくなる。よってこの加盟料はプロ野球界を縮小することはあっても拡大する意図のない設定ということになってしまう。 |
| ■最高決議機関はオーナー会議 |
| 日本プロ野球組織の最高決議機関は各球団オーナーで組織する“オーナー会議”。実行委員会で議決された事項のうちコミッショナーの選任や球界への参加資格の取得、変更、停止、野球協約条項の追加、変更、廃止など重要な案件について審議し表決する。コミッショナーは紛争について裁定、制裁の権限が主。運営に関わる実行委員会、オーナー会議では出席して意見を述べることはできるが表決権を持たない。要はプロ野球の方向性を定める権限のない職務なのだ。ほとんどが某オーナーの発言に左右され、球団の命名権売却問題や代理人問題などプロ野球界が抱える諸問題にも口を挟めないでいる。プロ野球界の共存共栄をはかるためにも指導力、実行力のあるコミッショナーの存在が必要である。 |
| ■球団幹部と現場に温度差 |
| 日本は球団幹部やフロント職員のほとんどが親会社からの出向者で占められている現状がある。また親会社の役務と兼務している場合も少なくない。現場にもほとんど顔を見せることがない状況。こういう曖昧な立場に身を置いてしまうため、球団経営にどっぷりつかれない。どうしても親会社の意向が中心となったり、親会社幹部の顔色を伺うような方針しか打ち出せないでいる。球団幹部は野球に関しては素人でも仕方ないかもしれないが、球団運営に関してはプロ意識を持ってしかるべきだ。球団運営のプロとは、球団発展のためのファン獲得や魅力あるチームに育て上げるだけの構想、戦術、編成におけるビジョンを描くことにあると思う。しかし現場に出向かない、現場の声を聞かない、現場の実情を知らないでは一体感ある球団運営はできない。 |
| ■市場管理が球団中心 |
| MLBは全国市場をコミッショナーが、地方市場を各球団がというように分担して権利処理しているが、日本プロ野球ではオールスター、日本シリーズ、東西対抗などの非公式試合のみコミッショナーが権利処理している。シーズン中の放送権は主催者の球団が握っているので人気格差がそのまま球団収支に影響しているのが現状である。当然のことながら全国ネット中継は“金の成る木”。よってG戦の放送権は各球団にとっては大きな収入を得るチャンスとなる。セ・パ交流戦が実現しなかったのも、セ球団からすればG戦が減ってしまうから。ここにも“ファン”より“経営”が優先されているような情景が見えてくる。 |